コンクリート診断士制度の背景
コンクリート診断士とはどのようなものでしょう? コンクリートは、日本中で90億m3と膨大な量に達しました。コンクリートは年月を経ると、劣化がはじまりますが、適切な処置を講ずることにより寿命を延ばすことが可能です。 コンクリートの状態を正確にを診断し、補修・補強を行うことが必要です。マンション強度偽造問題もあり、コンクリート建造物の強度への世間の注目も集まっており、コンクリート建造物の状態の正確な診断ができる人養成が急務です。コンクリート診断士という技術者を早急に養成することが社会のニーズになっています。日本コンクリート工学協会
(社)日本コンクリート工学協会は、永年にわたってコンクリートの診断・維持管理に関する研究活動を行っており、多くの技術的な蓄積を持っています。コンクリートに関する研究成果を活用し、コンクリートのおかれた状態の診断・維持管理に関する幅広い知識を持った技術者を養成し社会に貢献しようとしてコンクリート診断士制度がつくられました。コンクリート診断士の位置付け
コンクリート診断士は、(社)日本コンクリート工学協会が実施する講習会を受講し、さらに試験によってコンクリート診断・維持管理の知識・技術を保有していると認定され、さらに登録したものに与えられる名称です。コンクリート診断士は法に定められたものではありませんので、この資格がなければ診断・維持管理の業務ができないということではありません。コンクリート診断士と今までのコンクリート関連資格との違い
コンクリート関連の資格が、新設構造物に使用するコンクリートの設計・製造・施行に主として関わってきたのに対して、コンクリート診断士は膨大な既存構造物コンクリートを対象とするところが大きく違います。コンクリート診断士は、その活動によって社会的な信頼を得ることになれば、多くの分野で重用され、活躍の場が広がるものと期待されます。コンクリート診断士の仕事
コンクリート診断士は既存構造物としてのコンクリートを対象として、その劣化の程度を診断し、維持管理の提案も行います。構造物全体としての耐力・耐震性能等の診断は、コンクリート診断士の対象物が建築物、道路・鉄道橋、トンネル等多岐にわたります。これらは設計法・解析法もそれぞれ独自のものがあるのでコンクリート診断士一技術者だけですべてに対応することは困難です。コンクリート診断士には、計画、調査・測定を行うために必要な構造に関する基本的な知識までが求められます。コンクリート診断士が調査したデータをもとに、それぞれの分野の構造設計の専門家が実際のコンクリート建造物の性能診断を行うことになります。コンクリート診断士の受験資格
コンクリート診断士の試験は,コンクリートについてはすでに相当の技術レベルに達している人が対象になります。コンクリートに関する認定資格を持っている人,すなわち,コンクリート技士・主任技士,一級建築士および技術士(建設部門)の登録者,または1級土木(建築)施工管理技士で監理技術者資格者証を取得している人は,いずれも診断士講習会を受講することによって受験資格が得ることができます。この場合コンクリート診断士試験の時コンクリートの基礎に関する試験科目は免除されます。コンクリート診断士の必要な知識、技術
コンクリート診断を行うために必要な知識・技術の一部を紹介します。小野 紘一
